田んぼ道で地図を持つ人とAIのような小さな相棒が立つ厚塗り油彩風アイキャッチ

AI提供元が説明するAI流入の増やし方

2026/06/05 服部 雄治朗

AI検索やAIアシスタント経由の流入を増やすには、AI向けの特殊な裏技を探すより、まず「AIが参照しても人間が読んでも根拠が分かるページ」を増やすことが重要です。

OpenAIは検索結果やユーザーの質問に答えるためのbotを公開し、Googleは生成AI検索に出るための考え方を公開しています。AI流入を増やすには、両社が説明している一次情報から、コンテンツ、robots.txt、WAF、問い合わせ導線を逆算するのが安全です。

この記事は、一次情報から逆算して、AI経由の流入を増やすために何を整えるべきかについてを調査したものです。

AI回答では、ユーザーが最初に見るのは自社サイトではなく、AIが要約した回答です。 Pew Research Centerの調査では、Google検索でAI要約が出た場合、通常の検索結果リンクをクリックした割合は8%で、AI要約が出ない場合の15%より低いとされています。 だからこそ、AI流入を増やすには「AI回答に拾われる」だけでなく、ページの中身、取得可否、クリック後の受け皿を整える必要があります。

OpenAI(ChatGPT、Codex)

OpenAIは、どのようなコンテンツをChatGPTの回答にしやすいかを、解説していません。 そのため、OpenAI経由の流入を増やす文脈では、「回答に使われやすい文章術」よりも、まずOpenAIが必要な情報を取得しやすい状態を作ることが重要です。

OpenAIの情報取得経路は、主に次の4つに分けて考えます。

  • OAI-SearchBot: ChatGPTの検索機能でWebサイトを表示するためのbot
  • GPTBot: 生成AI基盤モデルの学習に使われ得るコンテンツをクロールするbot
  • ChatGPT-User: ユーザー操作をきっかけにページを訪問するuser agent
  • 第三者検索プロバイダや、他ページのクロールから見つかるURL

OpenAIのPublisher FAQでは、第三者検索プロバイダからURLを得たり、他のページをクロールする中でURLを得たりする場合があると説明されています。 つまり、ChatGPT searchに見つけられたいページは、OAI-SearchBotから直接取れるだけでなく、サイト内リンク、関連記事、カテゴリページ、サービスページから自然にたどれる状態にしておく必要があります。

「AIに学習されたくない」と「ChatGPT検索に表示されたくない」は同じではありません。 ChatGPT検索からの発見を増やしたいなら、少なくともOAI-SearchBotをrobots.txtで止めないこと、WAFやCDNで403やCAPTCHAにしないことを確認します。 また、ユーザー操作をきっかけに取得されるChatGPT-Userまで不必要に止めると、ユーザーが質問したときにページ内容を参照しにくくなる可能性があります。

学習利用を避けたいだけなら、GPTBotからのアクセスのみを拒否します。 OpenAIは設定が独立していると説明しているため、OAI-SearchBotは許可し、GPTBotは拒否する という設計も選択肢になります。

たとえば、検索には出したいが学習用途は拒否したい場合、robots.txtの考え方は次のようになります。

User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
 
User-agent: GPTBot
Disallow: /

ただし、robots.txtだけでは不十分です。 OpenAIのヘルプでは、ChatGPT searchにサイトを表示させるには、OAI-SearchBotを許可するだけでなく、ホストやCDNがOpenAIの公開IPレンジからのアクセスを許可していることも重要だと説明されています。

また、ChatGPT searchは第三者検索プロバイダを使う場合があります。 ここで「ChatGPT search = Bing」と断定するのは避けるべきですが、OpenAIの説明では第三者検索プロバイダの例としてBingが挙がっています。 そのため実務上は、Bingに発見されやすい状態も合わせて整えます。具体的には、XMLサイトマップ、robots.txtへのSitemap:記載、Bing Webmaster Toolsへの送信、IndexNowの利用、正確なlastmodの管理です。

実務では、次の順番で確認します。

  1. 重要記事、サービスページ、料金ページをOAI-SearchBotに許可しているか
  2. GPTBotを許可するか拒否するか、方針を分けているか
  3. OpenAIの公開IPレンジからのアクセスをWAFやCDNで止めていないか
  4. ChatGPT-Userによるユーザー起点の取得まで止めていないか
  5. 重要記事がトップページ、カテゴリ、関連記事、サービスページからたどれるか
  6. sitemap.xml、robots.txtのSitemap:、Bing側の発見経路を整えているか
  7. bot アクセス簡易診断で、重要URLがbot風アクセスに403やCAPTCHAを返していないか

少なくとも今回参照したOpenAI公式情報では、専用の登録・確認ツール、OAI-SearchBot専用のURL送信API、llms.txtがChatGPT searchの発見やランキングに使われるという説明は確認できません。 そのため、「llms.txtを書けばChatGPTに拾われる」と断定するより、OAI-SearchBot、リンク構造、第三者検索プロバイダ、サイトマップ、WAF/CDNの確認に絞る方が安全です。

Google(Gemini、Antigravity)

Googleの生成AI検索向けガイドは、評価されやすいコンテンツについて次のように書いています。

また、生成AI検索のために特別なマークアップを足すことについては、次のように説明しています。

ここから分かるのは、AI流入を増やす施策の中心は、AI専用のテクニックではなく、引用・要約されても価値が残る一次情報を置くことです。 例えば、サービスページや記事には、次の情報を入れることで魅力を向上させることができます。

  • 実際の支援範囲、料金、納期、対応できないこと
  • 自社で検証した数字、成功した施策、失敗した施策
  • 業界別の課題、比較表、選び方、チェックリスト
  • 更新日、出典、根拠、一次情報へのリンク

「AIに好かれる文章」を作るのではなく、AIが要約した後でもユーザーがクリックして確認したくなる情報を載せる、という考え方です。

同じガイドでは、生成AI検索に表示されるための技術面として、次の表現も出ています。

これは、記事を書くだけでは不十分という意味です。 noindex、canonical、JavaScriptレンダリング、WAF、CDNの影響で重要ページが取得できない状態なら、AI検索側にも届きにくくなります。

Google向けには、記事の独自性と技術的な取得可否を同時に見ます。 特別なAI専用マークアップを増やすより、一次情報、読みやすい見出し、クロール可能なHTML、正しいcanonical、noindexの解除を優先します。

すぐ確認すること

  • OAI-SearchBot、GPTBot、ChatGPT-Userを同じ扱いにしていないか
  • 主要記事とサービスページに、料金、実績、検証結果、FAQなどの根拠があるか
  • Google向けに、noindex、canonical、HTML本文、見出し構造が壊れていないか
  • bot アクセス簡易診断で、AI関連bot風のアクセスが不自然にブロックされていないか
  • AI回答を見たユーザーがクリックした後、サービス詳細や問い合わせに進めるか

まとめ

AI経由の流入を増やすには、一次情報から逆算するのが安全です。 OpenAIは検索botと学習botを分け、Googleは独自で役立つ内容とクロール可能性を重視しています。

判断に必要な情報をページに載せて、botが取得できる状態にし、クリック後に比較・相談できる受け皿を作る。 これを整えることが、AI流入を増やす現実的な出発点です。

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参考

AI botの扱いについては、OpenAIのクローラー一覧ChatGPT searchヘルプPublisher FAQを参照しました。AI検索向けの考え方については、Google Search Centralの生成AI検索向け最適化ガイドを参照しました。第三者検索プロバイダ経由の発見に関する実務補足として、BingのAI検索時代のサイトマップ説明を参照しました。AI要約とクリック行動についてはPew Research Centerの調査を参照しました。

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